長い夜


夏がすぎ風あざみ…と陽水が歌っているが風あざみという花は無い、少年時代を思い出す風景のひとつとして風に揺れているあざみの花を思っているのだろうなどとぼんやりとした頭で考えている。
夏が去って釣瓶落としの日が沈み17時を過ぎるともう暗くなり長い夜の始まりです。一人の夜はとにかく長い、1時間半置きにヘルパーさんは来てくれるが体勢がうまく収まってくれないとその1時間半が長い、足がしびれたり、肩や尻が痛くなってもじっとして約束の時間が来るのを待っています。日付けが変わり1時にはベッドに横にしてもらうのですがここでも体勢の調整が微妙で迷惑をかけています誰もいない夜は手元に携帯や緊急通報用のボタンを持っていますが体勢によっては使えない時もあり、使おうとしてダメだった時のパニクり度は超半端無くて心臓は口から飛び出さんばかりになって汗は流れ続け頭がクラクラしておさまりません。ヘルパーさんは殆んど時間通りに来てくれますがなにしろ深夜の事なのでついつい睡魔に勝てず少しだけ誘いに負けてしまう事もあるみたいです。前のケアが長引いたり交通事情で遅れてしまう時にはワンコールを入れてくれるようにお願いしていますが負けてしまっている時にはこちらから電話をしなければなりません。ヘルパーさんは深夜とはいえ幾つかの訪問があるので時間が過ぎると飛ばされてしまうのではという不安が湧いてくるのです。なにより問題は何度かそうした事が何度かあるとトラウマになって何時も誰の時でも不安が先だって眠れない夜がつづきます。
今夜もそんな不安な夜の途中、夜明け前、新聞配達のドアに差し込む音がして一日が始まりだした。静けさが不安を大きくするので気を紛らわすためのラジオから欽ドンの良い子のDJで懐かしい歌が流れてくる。その頃が思われ気持ちが落ち着いていく…もうすぐ夜が明けるもうすぐ日が差してくる。長い夜の終りだ。
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I君とNさん


何を隠そう私の所に30年も来てくれている介護者が二人いてそのうちの一人I君は度々この欄にも登場していますが料理が得意で細かい細工などもお手のもので私はおおいに助けられています。
Nさんは私のところに訪問して15年ほどになるヘルパーさんですが気心が知れてケァ時にはお任せで安心していることができます。
二人に共通しているのはとにかく頼りになってリラックス出来ることそれから注文以上に美味しい料理を作ってくれることです。
私の口が不味いのか舌が変なのか最近の人たちは料理はあまりしないのか時間に追われるせいか食欲がわきそうもない物が多いです、私は料理の腕を試す時はキャベツの千切りをお願いしてしてもらいます、それはただ私がキャベツの千切りが好きだからなのですが最近は細い千切りにお目にかかっていません。工夫と少しの努力と美味しく食べてもらいたいという調味料をほんの少し振りかければ「うまい!」の言葉に料理をすることが好きになるのに「買って食べたほうが美味いから」で終るのは残念です。
I君とNさんは味は勿論盛付けまで気をつけて更に手の不自由な私のことを考えて切り方やサイズまで考えてくれています。すごく残念なのはこの二人の訪問がいつも重なることです。月に二3回の貴重な訪問時には保存食を作って貰っておいて次に来てくれるのを待っています。他のたくさんの訪問人たちも「おいしくなぁれ」の調味料を持ち歩いてくれればいいのにと思うのですが……
そんなわけでI君とNさんの次に来てくれる日をいつも心待ちにしているのです。