あとがきみたいなもの

とりたてて何もなく約束の旅(けい君が仙台を離れる時には皆んなで旅をしようよ、と言っていたのです)は終りました。この旅を終えておぢさんは少し変わりました。ひとつは人との付き合い方です。これまでは勝手にもてなしみたいな事を続けていました。どういう事かと言いますと相手の都合も聞かずに食事を用意してもめた事もありますし嫌いだという事を知らずに作って無理して食べさせてしまったと後で気付かさせられた事もあります。食事に限らず何かにつけて余計な気を使って相手に負担を強いたりしていたのですが今はおぢさんのところに来てくれている人たちは皆さん立派な大人なので欲しかったり必要だったりしたら自分から言ってくれるだろうからあまり余計なことはし無いほうが良いのだとしました。
そういう意味で今回の旅ではほとんど口を出さずに若い人たちにおんぶしました。結果はやはりおぢさんが口を出しすぎだったのだと確信したのでした。
ふたつめは介護保険になって生活がものすごく変わって日常のケアの一つ一つがプランがあるとか無いとかで決められ、事業所によって対応が違い、更にヘルパー個人によっても違ったりするのでそれに対応するのに疲れて用事を頼むのも面倒くさく何もする気がなくなっていました。それが旅を終えてからは唯唯一日が終わるのを待っているといった生活を送っていたのが今やれる事、やらなければいけない事をしないといけないなぁ…と思うようになりました。それはふるさとを無くしたからかなぁと……。帰ろうと思えばいつでも帰れたのでそれほど意識をしなかったのが歳をとって体が動か無くなるとものすごくふるさとが恋しくなります。何かにつけて思うのは邪気なく遊んだ山や川、懐かしい風景ばかりです。帰りたくても帰れなくなった場所にせめてもう一度と思って若人たちに付き合ってもらいました。しかしいざ近ずくと変わりすぎた風景に見知らぬところに来たような不思議な感情がわいたのです。全体を見回してもベットの上から想いを馳せる風景はなく懐かしさを語る場所も消えてしまっていて自分のふるさとは思い出の中だけなのだと実感したときにもう帰るところは無いんだと吹っ切れたのかもしれません。
入院している妹の見舞いに行った帰り付き添っている母を残し父の漕ぐ自転車の後ろに乗って家路を走ったときは背中いっぱいの夕日に後押しされたのに、もう帰ることもないふるさとを離れるときは暑いくらいの西日にじりじり胸を照らされたのでした。
これからわたしは心の拠り所を新しく探さなければなりません。まごまごしてられないのです………。
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